隊長
グラウンドキーパーって知っているかね?
光司
うーん、初耳ですね。
隊長
そうか、先日ラジオで面白いことを言っていたのだよ。
陰の功労者、グラウンドキーパー
光司
ラジオですか?
隊長
ああ、プロ野球の話なんだがな、二刀流の大谷翔平という選手を知っているだろう?
光司
はい、二刀流の選手ですよね。
隊長
ああ、その大谷翔平投手が先発、初完投、初完封で勝利を飾ったのだよ。
光司
凄いですね、打率も3割あるんですもんね。
隊長
ああ、規定打席には達していないがとんでもないことだ。
光司
そうですね。
隊長
その完封勝利をあげた球場が年に一度ぐらいしかプロの試合がない、地方球場だったわけだよ。
光司
へー、そうなんですね、相性がよかったんですかね。
隊長
まぁ、そうかもな、そのラジオでな、野球解説者が試合後に選手のインタビューをした後に、グラウンドキーパーと話す機会があったんだそうだ。
光司
はぁ。
隊長
それがとても素晴らしかったのだよ。
光司
と、言いますと?
隊長
ああ、年に一度しかない試合なのに、大谷翔平の所属チーム日本ハムの本拠地、札幌ドームのマウンドの状態を知らべて、わざわざ近づけてくれたそうなんだ。
光司
マウンドって違うものなんですか?
隊長
ああ、その解説者もピッチャー出身だからよくわかると言っていた。
光司
へー、そういうものなんですね。
隊長
マウンドの角度や硬さが違うと、普段とは勝手が違うのだそうだ。
光司
そうなんですね。
隊長
ああ、だから本拠地でなくても対戦相手の球場でやたらと勝ち星をあげる投手は、マウンドとの相性がいいケースがあるんだそうだ。
光司
へー、凄い違いなんですね。
隊長
そうみたいだぞ、難しいことはわからないが、投球ホームによってはやわらかすぎると踏ん張れないとか、マウンドの角度が違うと変化球のときのリリースポイントが、ズレるなんてことがあるのだそうだ。
[speech_bubble type="std" subtype="L1" icon="22.jpg" name="光司"]プロってシビアな世界なんですね。
グラウンドキーパーに資格は必要?
隊長
そのグラウンドを整備してくれているのが、グラウンドキーパーと呼ばれる人たちなのだよ。
光司
大切な仕事なんですね。
隊長
ああ、縁の下の力持ちだな、調べてみると、特にグラウンドキーパーに資格が必要というわけではなく、その球場や競技場の管理者のお仕事のようだ、サッカーなんかは一年中綺麗な芝生を保つために、相当な苦労があるのだそうだ。
光司
そうなんですね。
隊長
そもそも夏に生えている芝と冬のは別物なのだそうだ。
光司
へー、抜くんですかね?
隊長
いや、両方をうまくバランスをとって育てていくのだ。
光司
それは凄いですね~。
隊長
ああ、野球だと人口芝が多いがサッカーはほとんど天然の芝だからな。
光司
確かにサッカーの代表戦でアジアの小国に行くと芝生の状態が悪いなんてよく言いますよね。
グラウンドキーパーはサッカーで超重要
隊長
そうだな、芝の状態が悪いとパスの転がりが悪くて、日本のパスサッカーには向かないなんていうな。
光司
でも相手も条件はいっしょですけどね。
隊長
それはサッカーのスタイルの違いもあるからな。
光司
スタイルですか?
隊長
ああ、ヨーロッパ、スペインリーグのバルセロナというチームは世界最高峰のパスサッカーと言われているのだが、ホームゲームでは芝を短く刈りこんで、しかも試合直前に水を撒いてボールが転がりやすくするのだよ。
光司
へー、それって反則じゃないんですか?
隊長
そんなことはない、条件は相手も同じだからな。
光司
ああ、そうか。
隊長
しかしアウェイ、相手チームのスタジアムでの試合の場合、相手の戦略であえて芝を長めにし、パスの転がりが悪い状態を用意してくるチームがあったりする。
光司
でも条件はいっしょですよね。
隊長
ああ、そこがスタイルの違いだ。
光司
・・・わかりません。
隊長
バルセロナは細かいパスをつないで相手ゴールにせまるのだが、対戦相手は引いて守って、カウンターで得点を狙う、その時に大きなロングパス一発で、相手のゴール前まで通す作戦なのだ。
光司
ボールを転がさない、ということですか?
隊長
ああ、ロングパスだけを狙う戦略を選ぶのだ。
光司
そんなの大抵うまくいかないと思いますけど。
隊長
そうだな、しかしバルセロナ相手に同じように戦っては、圧倒的に相手が強いのだよ。
光司
確かにそうですね。
隊長
言ってみれば弱者の戦略かも知れないが、守って守って守って、一発でもうまく通ればチャンスがくるかも知れない。
光司
なるほど、あきれらめてはいないわけですね。
隊長
うむ、だがはっきり言うと相手は引き分けでもいいわけだ、バルセロナ相手だと。
光司
そうなんですね。
隊長
あわよくば一点取れれば最高、そういうシナリオだな。
光司
よくわかりました。
隊長
相手の土俵(得意グラウンド)で相撲をとらない、ということだ。
光司
うまいこといいますね。
グラウンドキーパーならぬアイスキーパー?
隊長
野球やサッカーだけではなく、ゴルフのグリーンの芝管理も大変なんだそうだ。
光司
そうなんですね。
隊長
ああ、ゴルフも一年中あるからな。
光司
そうですね、冬は芝の色が薄かったりしますよね。
隊長
ゴルフ場は広いだけに管理も大変だと思うな。
光司
そうでしょうね。
隊長
同じような仕事にアイスキーパーというものがあるのだぞ。
光司
アイス・・・ですか?
隊長
ああ、スケートのリンクの管理者だ。
光司
ああ、なるほど~。
隊長
フィギアスケートなんか見ているとジャンプでリンクが削れているだろう?
光司
そうですね。
隊長
オリンピックでも何人かおきにリンクを整備していたぞ。
光司
そうでしたか。
隊長
それにスケート競技によっても氷の状態が違うのだそうだ。
光司
え!?何が違うのでしょう。
隊長
詳しくはわからないが、フィギアスケートとアイスホッケーでは、氷の硬さが違うようなことを言っていた。
光司
そうなんですか、そもそも氷の硬さを調整出来るのですね。
隊長
そうみたいだぞ。
光司
色々なお仕事があるものですね。
隊長
ああ、そういったお仕事の方に感謝していた野球解説者も、またカッコよかったのだよ。
光司
なるほど、解説者もグラウンドキーパーさんもカッコいいですね。
隊長
うむ、スタッフや裏方さんにも感謝だな。
光司
はい、生の観戦の時は注目してみます。